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住宅ローンの事務手数料はいくらかかる?保証料との違いや諸費用についても解説!

住宅ローン 手数料・諸費用

更新日:2024年5月

住宅ローンを組む際には、手数料や保証料も考慮して選ぶことが大切です。これらは各金融機関で違いがあります。しっかりと比較しましょう。この記事では、手数料と保証料に焦点を当てた住宅ローン選びのポイントを解説しています。

住宅ローンの手数料とは?

住宅ローンの手数料には、いくつか種類があります。まず、融資を受ける際に金融機関が融資手続きにかかる費用として請求する「融資手数料 」があります。一般的に、「事務手数料」「事務取扱手数料」ともいわれています。

また、毎月の返済額を計算するためにかかる「繰上返済手数料」や、ローン契約後に金利を変更する際の「金利変更手数料」などもあります。
事務手数料とよく混同されるのが「保証料」です。金融機関によっては事務手数料の他に保証料の支払いが必要になる場合があります。

これらの手数料の有無や金額は、住宅ローンによって異なりますので、契約前によく確認しましょう。

住宅ローンの事務手数料は大きく分けて2種類

住宅ローンの事務手数料には、下記のとおり大きく分けて2種類があります。

【住宅ローンの事務手数料】

  • 定額型
  • 定率型

定額型

定額型は、借入金額に関係なく事務手数料が一定のタイプです。たとえば、定額型で事務手数料が55,000円(税込)の場合であれば、借入金額が1,000万円でも1億円でも手数料は55,000円(税込)となります。ただし、手数料が定額型の住宅ローンは、定率型の住宅ローンよりも金利がやや高い傾向があります。

定率型

定率型は、借入金額に一定の料率を乗じて事務手数料の金額を計算するタイプです。手数料率は2.2%(税込)としている金融機関が多い傾向です。定率型は借入金額が高額な人ほど事務手数料の金額が大きくなります。

定額型か定率型でどれほど経済的な負担が異なるのかを比較するために、3,000万円の住宅ローンを借りた場合の例を下記のとおり表にしました。

定額型 定率型
借入金額 3,000万円
返済期間 35年
借入金利 年0.65% 年0.42%
事務手数料(税込) 55,000円 660,000円
支払利息 3,563,411円 2,272,590円
総支払い額 33,618,411円 32,932,590円
  • 実際の借入時には抵当権設定登録免許税、印紙税、電子契約利用手数料、司法書士報酬、火災保険料等がかかります

(出典)2024年5月のSBI新生銀行の住宅ローン条件を参考に筆者作成

上記表はあくまでも一例です。この例では、手数料の違いよりも、支払い利息の違いの方が大きくなっており、定率型が有利になっています。借入金額が少なければ手数料の差が縮まりますし、借入期間が短ければ支払利息の差はもっと小さくなります。

住宅ローンの手数料の相場は?

住宅ローンの事務手数料の相場は定率型と定額型の場合で異なります。

定率型の場合は、「借入額×2.2%(税込)」としている金融機関を多く見受けます。
たとえば5,000万円を借りる場合の事務手数料は110万円ということになります。

定額型の事務手数料は、金融機関や住宅ローン商品によって様々です。たとえばSBI新生銀行では、定額型の事務手数料を55,000円(税込)としています。

ある程度のまとまった金額を借り入れる人にとっては、定額型の事務手数料が有利になる傾向です。

ただ、金融機関によっては定額型の手数料が数十万円程度に設定されている場合があります。このような場合は、借入金額が少額だと、定率型の方が有利になることがあります。

住宅ローンの手数料以外にかかる費用とは?

住宅ローンは、融資に関する手数料以外にも、諸費用と呼ばれる以下のような費用がかかる場合があります。
(下記は一例)

  • 保証料
  • 団体信用生命保険料
  • 司法書士報酬
  • 抵当権設定登録免許税
  • 印紙税
  • 電子契約手数料

保証料については後述します。

団体信用生命保険料は、死亡・高度障害を対象にしたものは無料にしている金融機関が多いです。がん罹患時に保険金が受け取れる「ガン団信」の場合は、保険料分として金利の上乗せが発生する場合が多くなっています。SBI新生銀行のガン団信の上乗せ金利は年0.1%です。

登記を依頼する司法書士への報酬は、依頼する司法書士や手続き内容によって異なります。金融機関が指定する司法書士に依頼するのが一般的です。料金の違いは司法書士ごとでさほど大きな差は生じない傾向です。

抵当権設定登録免許税や印紙税は国に納める税金ですので、どの金融機関でも変わることはありません。SBI新生銀行のように電子契約ができる金融機関では印紙税が不要になりますが、別途、電子契約手数料がかかる場合があります。

SBI新生銀行の住宅ローンシミュレーションで5,000万円の借入をしたケースで計算をしたところ、下記のような結果が出ました。あくまでも概算ですが、費用感を把握するには役立ちます。

【5,000万円の借入をした場合の費用感】
団体信用生命保険 0円
登記関連費用 300,000円
印紙税 20,000円

(出典)SBI新生銀行の住宅ローンシミュレーションを使用し筆者作成

上記に挙げた費用以外にも、金融機関を通じて火災保険や任意の地震保険に加入した場合はそちらも支払わないといけません。火災保険・地震保険は、金額を重視して安いところを探すのが良いでしょう。

住宅ローンの手数料と保証料の違いは?

ここで前述した保証料について解説します。手数料と保証料は、一見似ていますが性質は全く異なります。

事務手数料は、銀行に住宅ローンの設定を依頼する手続きのために支払う手数料です。金融機関が住宅ローンを提供する際には、融資審査や契約書の作成、顧客とのやりとりなどが必要であり、それらの業務には人件費等の支出が伴います。そのため、多くの金融機関では、住宅ローンの設定の際に事務手数料が必要となっています。

保証料は、保証会社を利用する際に支払う費用です。保証会社は、債務者の返済が滞った場合に、代わりに返済をしてくれます。これを代位弁済といいます。金融機関にとっては、貸したお金が返ってこない可能性を下げられる利点があります。一方、債務者は代位弁済が行われた後に、保証会社に立て替えてもらった資金を返済しなければいけません。債務者は保証会社を利用しても債務が免れるわけではないということです。

保証会社の仕組み

筆者作成

保証料は、大きく分けて「金利に上乗せして支払うタイプ」と「一括で支払うタイプ」に分けられます。

保証料を金利に上乗せして支払うタイプ

保証料が金利に含まれるタイプは、保証会社なしのタイプや後述する保証料を一括で支払うタイプよりも金利が高い傾向があります。このタイプの場合、事務手数料ありの金融機関となしの金融機関があります。金利に保証料が含まれるタイプは、繰上返済をしても保証料の返金はないのが一般的です。

保証料を一括で支払うタイプ

保証料を一括で支払うタイプは、保証料が金利に含まれるタイプより金利が低い傾向があります。保証料は同じ金融機関でも、審査結果によって個々に異なります。一般的に、35年ローンで1,000万円借りた場合の保証料は20万円前後が目安ですが、この金額の数倍の保証料が提示されるケースもあります。保証料を一括で支払うタイプの場合、繰上返済をすると一部の保証料が返金されます。

SBI新生銀行では、保証料は原則として0円です。ただし、審査結果によっては全国保証株式会社の保証を付すことを提案する場合があります。その場合の保証料は、全国保証株式会社の審査結果により一律ではありません。

保証料を節約する方法は?

保証料を節約する方法は以下の3点が挙げられます。

複数の金融機関で比較を行う

保証料は金融機関によって異なるため、複数の金融機関で条件を比較することが大切です。金融機関によって必要な場合と必要でない場合があるため、よく確認しましょう。保証料がかかる場合、事務手数料が抑えめになっているケースがあるため、保証料と事務手数料はセットで確認することが大切です。

借入金額を抑えて返済期間を短くする

保証料は借入金額と返済期間によって決まります。一般的に事務手数料は返済期間の影響を受けないため、この点は保証料と事務手数料との違いです。
借入金額を抑え、返済期間を短くすることが保証料を抑える手段となります。

有利な支払い方法を選択する

借入金額が同じであれば、返済期間が短いほど保証料は安く済む反面、毎月の返済額は大きくなってしまいます。住宅ローンの返済は、滞らないようにすることが最も大切です。住宅ローンの返済期間は、借りた後に延ばすことはできないため、できれば借入期間は長いものを選択したいものです。

「保証料は安くしたい」「借入期間は無理が出ないように長めのプランを選択したい」このジレンマが生じた場合は、繰上返済を活用しましょう。

保証料を一括で支払うタイプの住宅ローンの場合、先述のとおり繰上返済によって保証料が戻ってくる場合があります。
長めの期間で住宅ローンを借り、なるべく繰上返済を進めて保証料の戻りを多くするのが、安全かつ有利な方法になります。

住宅ローンの手数料や諸費用はいつ払うの?

住宅ローンの手数料は、ローン実行時に一括で支払うのが一般的です。ただ、最近は住宅ローンに手数料や諸費用を含めて借りられる金融機関を多く見受けます。このような金融機関を利用すれば、ほとんど頭金を準備しなくても住宅ローンを借りられるということです。ちなみに、SBI新生銀行では金利の変更などの条件変更なく手数料・諸費用を借入金額に含めて申込ができます。

住宅ローンの手数料を節約する方法は?

住宅ローンの手数料を抑えるための順序は、以下のとおりです。

  • 複数の金融機関で比較を行う
  • 手数料が安い銀行を選択する

金融機関の手数料は様々ですので複数の金融機関を比較することが大切です。費用の体系と手数料の傾向を記載しますので、ご参考にしてください。

事務手数料が定率型、保証会社不要の金融機関 事務手数料は「借入額×2.2%(税込)」としている金融機関が多く差が生じにくい。借入金利や団体信用生命保険の保障内容の違いが、選択のポイントになる。
事務手数料が定額型、保証会社が不要の金融機関 SBI新生銀行のように借入金額に関係なく55,000円~(税込)というところもあれば、数十万円程度のところもありかなり差がある。
保証料が発生する金融機関 保証料が発生する代わりに事務手数料は抑えめになっている傾向。保証料と事務手数料は性質が異なるため、本記事の内容を参考に選択する必要がある。

住宅ローンの借り入れ後も手数料はかかる!

住宅ローンは借入後も以下の手数料が発生する場合があります。ご自身の返済計画を鑑みた上で、有利な金融機関を選びましょう。

【住宅ローンの借入後も発生する手数料】

  • 一部繰上返済手数料
  • 全額繰上返済手数料
  • 条件変更手数料
  • 固定金利手数料

一部繰上返済手数料は、SBI新生銀行のように無料に設定している場合があります。頻繁に繰上返済をする人は、無料の金融機関を選びましょう。

全額繰上返済手数料は、SBI新生銀行では原則無料ですが、多くの金融機関で必要になり、3万円程度の手数料が必要になるのが一般的です。条件変更手数料は、数千円~1万円程度、固定金利手数料は5千円程度です。

手数料・諸費用を含めたシミュレーションをして住宅ローンを選ぼう!

金利以外にも必要な費用をチェックすることが重要でも、どのようにして確認すればいいのか分からない人も多いと思います。もし、ある程度具体的な金額を知りたいなら、金融機関のサイトで提供している住宅ローンシミュレーションで計算してみてはいかがでしょうか。

シミュレーションでは借入予定金額・期間を入力し、金利を選択すると毎月・ボーナス月の返済額、そして手数料や諸費用も算出できます。ただし、シミュレーションで算出できるのは、あくまで参考額です。より詳しい内容を知りたいときは、金融機関の店頭相談またはオンライン相談を利用するのもよいでしょう。

インターネットで住宅ローンを申し込める時代になりましたが、金融機関の相談サービスには一定の価値があります。

執筆者
遠藤様

遠藤功二

えんどう こうじ

  • CFP(R)
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

当行では具体的な税額の計算、および、税務申告書類作成にかかる相談業務はおこなっておりません。個別の取り扱いについては、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご確認ください。

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  • SBI新生銀行ウェブサイトにて、借入金額や借入期間に応じた毎月の返済額を試算できます。
  • 事務手数料は、定額型をご選択された場合55,000円(消費税込み)、定率型をご選択された場合、借入金額に対して2.2%(消費税込み)を乗じた金額となります。それ以外に抵当権設定登録免許税、印紙税*、司法書士報酬、火災保険料等がかかります。*電子契約サービスをご利用の場合、印紙税は不要ですが、別途電子契約利用手数料5,500円(消費税込み)がかかります。
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[2024年1月22日現在]