住宅ローン返済中の休職 返済は待ってもらえる?
「病気やケガで休職することになったら、住宅ローンの返済はどうなるのだろう」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。休職中は収入が減ったり、一時的に途絶えたりする可能性があるため、毎月の返済を続けられるかが気になるところです。この記事では、休職した場合に住宅ローンの返済は待ってもらえるのか、返済が難しいときはどう対応すればよいのか、事前にどのような備えができるのかを解説します。
休職したら住宅ローンの返済は待ってもらえる?
結論からいえば、休職したからといって、住宅ローンの返済を自動的に待ってもらえるわけではありません。返済期間の延長や一時的な返済額の減額といった返済条件の変更は、金融機関ごとに取り扱いが異なり、審査の上、個別に判断されます。返済条件の変更は金融機関の審査事項であり、必ず応じられるとは限りません。
一方で、何もせずに延滞してしまうことは避けたいところです。返済が困難になった場合は、延滞となる前に借入先の金融機関へご相談ください(延滞が生じると個人信用情報に登録される場合があります)。収入の減少が見込まれる時点で早めに相談すれば、取りうる選択肢も広がりやすくなります。
住宅ローンの引き落としができなかったらどうなる?
住宅ローンの返済は、毎月決まった日に指定口座から引き落とされるのが一般的です。残高不足で引き落としができなかった場合の取り扱いは金融機関によって異なり、後日あらためて引き落としが行われることもあれば、自分で入金や連絡が必要になることもあります。返済が遅れると遅延損害金がかかる場合もあるため、残高不足に気付いたら、できるだけ早く返済口座へ入金し、契約中の金融機関へ確認するようにしましょう。
また、休職中は給与に代わって受け取る給付金の入金日が、休職前の給与の入金日とずれることがあります。引き落とし日と入金予定のずれで思わぬ延滞にならないよう、返済口座の残高や入金スケジュールをあらかじめ確認しておきましょう。
住宅ローンの滞納が続くとどうなる?
返済できない状態が続くと、住宅ローンの滞納として扱われ、影響が段階的に大きくなっていきます。滞納が長引けば個人信用情報に記録が残る可能性があり、その後に自動車ローンやカードローン、クレジットカードなどの審査を受ける際、不利に働くことがあります。さらに状況によっては、金融機関から督促を受けたり、法的な手続きに進んだりするおそれもあります。
休職という事情があっても、連絡をしないまま延滞を続けることは避ける必要があります。返済が厳しいと感じた段階で、できるだけ早く借入先の金融機関へ相談することが大切です。
休職中の収入減を補う公的制度はある?
会社員や公務員などの健康保険の被保険者が、業務外の病気やケガの療養のために仕事を休み、給与の支払いが停止される(または減額され後述する傷病手当金の支給額を下回る)場合には、健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。協会けんぽの場合、主な内容は次のとおりです。
- 支給の対象となるのは、連続する3日間の待期の後、4日目以降の仕事に就けなかった日です
- 1日あたりの支給額は、原則として支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2に相当する額(支給開始日以前の期間が12ヵ月間に満たない場合、支給開始日が属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均か、前年度9月30日における全被保険者の標準報酬月額の平均額の、いずれか低い額を使用して計算)
- 給与の支払いがある場合で、その金額が傷病手当金を下回る場合は、その差額が支給
- 支給期間は、支給を開始した日から通算して最大1年6ヵ月
(出典)全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」(参照日:2026年8月3日)
例えば、支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均が30万円の場合、1日あたりの支給額は30万円÷30日=1万円の3分の2で、約6,667円です(筆者試算)。
【前提条件】給与の支払いが全額停止となり、支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均を30万円とし、協会けんぽの計算方法(平均額÷30日×3分の2)で算出。端数処理は考慮していない概算です。
このように、給与の全額が保障されるわけではなく、受け取れる額はおおむね3分の2程度にとどまります。住宅ローンの返済と生活費をまかなえるか、休職前の家計を基に確認しておくことが大切です。支給の可否・金額は、ご加入の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合等)や年金制度の保険者が個別に判断します。詳細はご加入先へご確認ください。
休職に備えて平時からできることは?
休職中の返済負担を軽くするには、平時からの備えが重要です。次のような取り組みが考えられます。
- 生活予備資金を確保する:毎月の返済額と生活費のバランスを確認し、収入が減っても数ヵ月は返済を続けられる預貯金をできる範囲で用意しておきましょう
- 繰上返済を活用する:資金に余裕のある時期に繰上返済をしておくと、利息の軽減や返済期間の短縮につながり、将来の返済負担を抑えやすくなります
- 家計の固定費を見直す:休職時に減らせる支出と減らせない支出を把握しておくと、収入減少時の対応を考えやすくなります
繰上返済の効果や注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。
長期間働けない場合に備えて団信の保障内容も確認
休職が短期間であれば、傷病手当金や預貯金の取り崩しで対応できる場合もあります。しかし、病気やケガが長引き、長期間働けなくなる可能性も考えられます。そのような場合に確認しておきたいのが、団体信用生命保険(団信)の保障内容です。団信とは、住宅ローンの返済中に契約者が亡くなった場合などに、保険金でローン残高が返済される保険のことです。
近年は、死亡や所定の高度障害だけでなく、病気やケガによる就業不能状態に備えられる団信を取り扱う金融機関もあります。例えば、当行の全疾病保障付団信では、病気やケガで所定の就業不能状態が続き住宅ローンの返済日が到来した場合に毎月の返済額が保障され、所定の就業不能状態が所定の期間を超えて続いた場合には住宅ローン残高相当額が保障されます(保障には所定の条件・免責事由があります)
ご自身が加入している団信の保障範囲は、契約時の書類や金融機関のウェブサイトで確認できます。団信の種類や保障内容の基本は、以下の記事で詳しく解説しています。
SBI新生銀行の団体信用生命保険(団信)の保障内容を確認する
記事のおさらい
最後に、この記事の要点をQ&A形式で振り返ります。
休職したら住宅ローンの返済は待ってもらえる?
自動的に待ってもらえるわけではありません。返済条件の変更は金融機関ごとに取り扱いが異なり、審査の上、個別に判断されます。返済が難しくなりそうな場合は、延滞となる前にできるだけ早く借入先の金融機関へ相談しましょう。
休職中の収入減はどう補えばよい?
健康保険の被保険者であれば、業務外の病気やケガによる休業について傷病手当金が支給される場合があります。ただし給与の全額は保障されないため、生活予備資金の確保や家計の見直しとあわせて備えることが大切です。
長期間働けなくなった場合の備えは?
病気やケガによる就業不能状態に備えられる団信に加入していれば、所定の条件を満たした場合に毎月の返済額やローン残高が保障されることがあります。ご自身の団信の保障内容を確認しておきましょう。
- 本稿の内容は2026年8月3日時点の情報に基づきます。
わかやま たくや
- AFP(日本FP協会認定)
- 証券外務員一種(日本証券業協会)
- 資産形成コンサルタント(日本証券アナリスト協会)
株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。
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- 変動金利(半年型)、当初固定金利をご選択された方は、当初借入金利適用期間終了後、変動金利(半年型)が自動適用となります。
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[2025年11月17日現在]












