気になる老後の生活設計は?住宅を活かす方法を考えてみよう
現役世代の中には、「定年後の生活が心配」と感じている方も少なくありません。具体的には、「年金だけで生活していけるのか」「退職後も住宅ローンや住居費の負担が残るのではないか」「医療費や介護費用に備えられるのか」といった不安が挙げられます。
公的年金は老後生活を支える大切な収入源ですが、生活費のすべてをまかなえるとは限りません。老後資金の準備方法としては、預貯金や資産運用、退職金の活用などが一般的ですが、持ち家がある場合は「住宅を活かして資金を調達する」という選択肢もあります。
今回は、老後の生活設計において、住宅をどのように活かせるのかを考えていきましょう。
老後の生活についてどう考える?
公益財団法人生命保険文化センターの「2025年度(令和7) 生活保障に関する調査」によると、老後生活に「不安感あり」と回答した人は83.2%でした。また、老後生活に対する不安の内容では、「公的年金だけでは不十分」が79.8%と最も高くなっています。
この結果からも、公的年金制度や老後にかかるお金について不安を抱えている人が多いことがわかります。住まいの修繕費、医療費、介護費用、家族への支援など、状況によって必要になるお金もあります。
そのため、老後資金を考える際は、公的年金の見込額や退職金、預貯金などを整理し、不足する資金をどのように補うかを考えることが大切です。
老後の経済的な不安に住宅を活かす手段とは?
公的年金だけで老後資金をまかなえるか不安がある場合、預貯金を増やす、資産運用を行う、退職後も働くといった方法がまず頭に浮かぶかもしれません。一方で、持ち家がある人は、住宅を活用して資金を調達する方法も検討できます。
その代表的な方法のひとつが「リバースモーゲージ」です。
リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保にして、金融機関などから融資を受ける仕組みです。契約期間中は利息のみを支払い、元金は契約者の死亡後などに、担保不動産の売却代金や相続人による一括返済などで返済するのが一般的です。
リバースモーゲージには、主に以下のようなメリットがあります。
- 自宅に住み続けながら資金を調達できる
- 毎月の支払いは原則として利息のみ
- 元金は契約者の死亡後などに返済できる
- 契約により詳細な条件は異なります
特に、自宅に住み続けながら資金を調達できる点は、リバースモーゲージの大きな特徴です。住み慣れた家を離れずに、老後資金を確保する方法として検討できます。
また、毎月の支払いが原則として利息のみであるため、元金と利息を毎月返済する一般的なローンに比べて、月々の負担を抑えやすくなります。年金収入を中心に生活する老後において、返済負担を抑えながら資金を調達できる点はメリットといえるでしょう。
リバースモーゲージにもデメリットがある
自宅を活用できるリバースモーゲージですが、デメリットもあるため、主な注意点を押さえておきましょう。
- 契約者の死亡後に自宅を売却する場合、相続人に自宅を残せないことがある
- 契約者の存命中は利息の支払いが続くため、長く利用するほど利息負担が増える場合がある
- 金利上昇により、毎月の返済負担が増える場合がある
- 担保不動産の評価額などにより、借入可能額が変わる場合がある
- マンションや一部の地域では利用できない場合がある
- 一定の年齢や収入など、商品ごとの条件を満たす必要がある
- 配偶者が契約を引き継げない場合、契約者の死亡後に住まいの確保が課題になることがある
- 契約により詳細な条件は異なります
リバースモーゲージは、自宅に住み続けながら資金を調達できる一方で、相続や配偶者の住まい、利息負担、借入可能額などに注意が必要です。将来の返済方法も含めて、ご家族と確認しておきましょう。
リバースモーゲージ以外の老後資金の調達方法
リバースモーゲージのメリットとデメリットを踏まえ、利用しないと判断する人もいるでしょう。その場合は、別の方法で老後資金を準備することも考えられます。
自宅を売却する
シンプルな方法は、自宅を売却して資金を調達することです。まとまった資金を得られる可能性がある一方で、売却後の住まいの確保が必要です。また、売却価格は不動産市況や物件の状態によって変わるため、想定した金額を確保できるとは限りません。
リースバックを利用する
自宅を活用する方法としては、リースバックもあります。リースバックとは、自宅を売却した後、買主と賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら同じ家に住み続ける仕組みです。
住み慣れた家で生活を続けながら資金を調達できる点はメリットですが、所有権は買主に移ります。そのため、家賃の負担や契約期間、更新条件、将来の退去リスクなども確認しておくことが大切です。
老後資金の準備方法はさまざまです。自宅を活用する場合は、その後の住まいやご家族への影響も含めて検討しましょう。
- 本稿の内容は2026年5月12日時点の情報に基づきます。
せきぐち よしのり
- 2級フィナンシャル・プランニング技能士
- AFP(日本FP協会認定)
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[2025年11月17日現在]












