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既存住宅性能評価書とは?すまい給付金や住宅ローンへの影響も

住宅の建築や購入について調べる際、「既存住宅性能評価書」という言葉を耳にすることがあります。既存住宅性能評価書には、一体どのような意味があり、評価を取得するためにはどうすればいいのでしょうか。

既存住宅性能評価書とは?評価の方法について

既存住宅性能評価とは、既存住宅(中古住宅)の性能について、第三者の観点からチェックをしてもらい、その結果をまとめた評価制度です。この住宅性能評価は新築住宅でもありますが、中古住宅の場合は新築住宅のチェック項目(10分野33事項)と異なり、「音環境に関する分野」を除き、「劣化等の状況に関する分野」を加えた10分野28項目と既存住宅のみを対象とした2項目(アスベストに関すること)です。劣化等の状況に関する分野の中の「(壁や天井などの)部位等・事象別判定」「総合判定」は必須事項なので、評価を申請すれば必ず実施されますが、「(土台や柱などの)腐朽・蟻害の詳細検査」「個別の性能に関すること」は選択事項なので必要な分野や項目を選んで依頼します。

性能評価検査は、国土交通大臣の登録を受けた第三者機関である「登録住宅性能評価機関」が行います。評価結果は、項目ごとに定められた等級や基準への適合状況で示され、耐震性や劣化対策など多くの項目では等級1~3が用いられます。
既存住宅性能評価は、住宅の購入者が検査を依頼するのが原則です。ただし、不動産会社・ハウスメーカーが審査を依頼、評価を取得し「既存住宅性能評価付き住宅」として販売することもあります。なお、既存住宅性能評価書を取得するためには、住宅の種類や評価内容によりますが、一般的に数万円~十数万円程度の費用がかかります。

既存住宅性能評価書があることで何が違う?

既存住宅性能評価書があると、住宅ローン控除にも生かせる可能性があります。

中古住宅の住宅ローン控除は、返済期間10年以上の住宅ローンを利用し、取得後6ヵ月以内に入居するなどの要件を満たせば、住宅ローンの年末残高の0.7%を所得税から10年間※控除できます。(所得税から控除しきれない場合は住民税からも控除されます。)

中古住宅の場合の建物については、主に以下の条件を満たすことが必要です。

  • 1982年1月1日以後に建築された住宅であること
  • 新耐震基準に適合している住宅であること

1982年1月1日以降に建築された住宅は、新耐震基準に適合しているとみなされるため耐震基準を証明する書類の提出は必要ありませんが、1981年12月31日以前に建築された住宅については、既存住宅性能評価書があれば住宅が耐震基準を満たしているかどうかの確認ができるので、控除を受けられる可能性が広がるかもしれないのです。なお、耐震基準の確認は耐震基準適合証明書や既存住宅売買瑕疵保険への加入でも代替可能です。

  • 認定住宅等で2026年1月1日以降の入居の場合は13年間

すまい給付金の申請にも既存住宅性能評価書が必要?

住宅ローンとともに住宅購入時の補助となる「すまい給付金」という制度がありましたが、2024年3月で受け付けを終了しており、新たに申請することはできません。

では他に、既存住宅性能評価書が活用できる制度がないか見ていきましょう。

既存住宅性能評価書は住宅ローンにも関係ある?

既存住宅性能評価書は、住宅ローン控除だけでなく、住宅ローンそのものの条件に影響する場合もある書類です。中古住宅を購入して住宅ローンを組む際、金融機関は「その住宅が安全で、長く使えるかどうか」を重視します。既存住宅性能評価書は、その判断材料のひとつとして活用されることがあります。

例えば、既存住宅性能評価で耐震等級1以上と評価されている住宅の場合、金融機関によっては、地震や台風などの自然災害に備えるための特約を住宅ローンに付加できる可能性があります。

また、金融機関や住宅ローン商品によっては、耐震等級が確認されている住宅を対象に、金利を優遇する住宅ローンを用意しているケースもあります。全ての金融機関で必ず金利が下がるわけではありませんが、住宅の性能が明確になっていることで、ローン商品選びの選択肢が広がる点は大きなメリットといえるでしょう。

既存住宅性能評価書は地震保険や火災保険にも関係ある?

既存住宅性能評価書があると、地震保険料が割引される場合があります。

これは、評価書に記載された「耐震等級」によって、建物の地震への強さが客観的に確認できるためです。耐震等級が1以上と評価されていれば、等級に応じて地震保険料の割引が受けられます。

一方、火災保険では割引が必ず受けられるわけではありません。ただし、建物構造や管理状況を示す資料として、保険加入時に役立つことがあります。

このように、既存住宅性能評価書を取得していることで、中古住宅の安全性の担保ができるだけではなく、その他にも利用できる点が多くあります。評価のための検査にはお金がかかるという注意点もあるため、メリット・デメリットを考えて取得するかどうかを決めましょう。

  • 住宅ローン控除の制度について詳しくは、国税庁・国土交通省のホームページ等でご確認ください。
  • 本稿の内容は2026年2月10日時点の情報に基づきます。
執筆者
関口様

関口 義則

せきぐち よしのり

  • 2級フィナンシャル・プランニング技能士
  • AFP(日本FP協会認定)

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[2025年11月17日現在]