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住宅ローン減税とは?制度の概要と流れ、期間延長についても解説

住宅ローンを検討している人は「住宅ローン減税・住宅ローン控除」という制度について事前に確認しておきましょう。この制度は、住宅ローンの残高に応じて所得税などの税金が減税される制度ですが、誰もが必ず恩恵を受けられるものではありません。

それでは、どのような借り入れが住宅ローン減税の対象なのか、また減税してもらうためには何をすれば良いのか、詳しく解説していきます。

住宅ローン減税とはどのような制度?

住宅ローン減税は、住宅ローンを組んでマイホームを購入した方が受けられる減税制度です。年末の住宅ローン残高(一定の上限あり)に0.7%を乗じた金額を、所得税から引くことができます。

所得税から引ききれない場合は、住民税からも最大で97,500円まで引くことができます。

今回は、2022年度の税制改正大綱で発表された最新の住宅ローン減税制度の内容を解説します。

住宅ローン減税の適用条件

住宅ローン減税を利用するための適用条件は以下のとおりです。

新築住宅購入の場合の適用条件

新築住宅の購入の場合の適用条件は以下の通りです。

  • 購入した物件に自身が住んでいること
  • 2022年〜2025年中に居住すること
  • 住宅の床面積(マンションの場合は専有部分)が50㎡以上であること
  • 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 床面積の半分以上が自身の居住用であること
  • 返済期間が10年以上の住宅ローンを借りていること
  • 譲渡所得の課税の特例等の住宅ローン減税と併用できない制度を利用していないこと
  • 2024年以後に建築確認を受ける物件の場合、一定の省エネ基準を満たしていること
  • 新耐震基準を満たしていること

なお、2023年12月31日以前に建築確認を受けた新築物件は、合計所得金額が1,000万円以下の方に限り、床面積が40㎡以上50㎡未満の物件も対象になります。

中古住宅購入の場合の適用条件

ここでいう中古住宅とは、物件価格に消費税が含まれない個人間売買などの中古住宅のことをいいます。中古住宅の場合も上記新築住宅の場合と適用条件はほぼ同じです。ただし、床面積が50㎡未満の場合は対象外です。また、2021年まで制度にあった築年数の要件は撤廃され、2022年からは新耐震基準を満たしていることが要件になっています。

リフォーム、増築の適用条件

宅地建物取引業者が増改築(リフォーム等)を行い販売されている物件も、新築住宅と同じ条件を満たしていれば、住宅ローン減税の対象になります。また、既存住宅に耐震、バリアフリー、省エネ、多世帯同居、長期優良住宅化の改修にかかった工事費用に対して一定の所得税額の控除が行われる制度は、2021年末が期限でしたが、一部見直しの上2023年まで延長されています。

(参考資料)
(出典)財務省 税制改正の概要>令和4年度税制改正の大綱の概要

住宅ローン減税の期間が延長!詳細を確認しておこう

住宅ローン減税は、2021年末で一旦区切りを迎え、2022年から4年間延長されました。2022年度から適用される住宅ローン減税の内容は下記の表のとおりです。

2022年住宅ローン控除の概要 入居年
2022年 2023年 2024年 2025年
控除対象となる住宅ローン残高の
限度額(控除限度額)
新築住宅 認定住宅 5000万円(455万円) 4500万円(409.5万円)
ZEH水準省エネ住宅 4500万円(409.5万円) 3500万円(318.5万円)
省エネ基準適合住宅 4000万円(364万円) 3000万円(273万円)
その他の住宅 3000万円(273万円) R5までに新築の建築確認済みの場合:2000万円(140万円)
上記以外:適用なし
中古住宅 長期優良住宅 3000万円(210万円)
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
その他の住宅 2000万円(140万円)
控除率 0.7%
控除期間 新築住宅 13年
(2024年、2025年入居の「その他の住宅」については10年)
中古住宅 10年
所得要件 2000万円以下

(出典)財務省 税制改正の概要>令和4年度税制改正の大綱の概要を基に筆者作成

2022年からの変更点で最も印象的だったのが、控除率です。年末の借入残高に乗じる率が、2021年までの1%から0.7%に引き下げられてしまいました。

住宅ローン減税で一体いくら税金が戻ってくるの?

ここでは、2022年〜2023年中に新築の省エネ基準適合住宅を、借入額8,000万円、期間35年の住宅ローンを組んで購入し、繰上げ返済はしないケースで、住宅ローン減税の税額控除額を先述の表にあてはめて計算してみます。

まずは、1年あたりの税額控除額を計算します。新築の省エネ基準適合住宅の住宅ローン減税の対象になるローン残高の限度額は4,000万円、控除率は0.7%なので1年あたりの税額控除額は次のとおりになります。

4,000万円×0.7%=28万円

新築の省エネ基準適合住宅は13年間税額控除が利用できます。また、住宅ローン残高は、当初8,000万円であるため、年末の住宅ローン残高は13年間を通して4,000万円以上であるとします。13年分の税額控除額の合計は、次の式で計算できます。

28万円×13年=364万円

なお、住宅ローン残高が制度の上限額未満の場合は、住宅ローン残高の減少と共に、税額控除額も下がっていきます。

住宅ローン減税のメリットを高める方法

控除対象となる住宅ローン残高の上限額が大きいタイプの住宅を買うことで、住宅ローン減税の恩恵を高めることができます。例えば、先述の計算例では、新築の省エネ基準適合住宅を取り上げましたが、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)水準省エネ住宅であれば、2022年〜2023年中に居住した場合の控除対象になる住宅ローン残高の上限額は4,500万円、13年分の最大の税額控除額は409.5万円になります。

認定住宅ならばさらにお得に!

認定住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅)の場合は、控除対象になる住宅ローン残高の上限額が2022年〜2023年中で5,000万円になり、13年分の最大の税額控除は455万円になります。

新築と中古で減税額が違う

表にある通り、控除限度額は中古物件の方が小さくなっています。また、新築・未使用・宅地建物取引業者の増改築が行われた物件(いずれも個人間売買ではなく業者から購入する場合)の控除期間は13年、中古物件の控除期間は10年になっています。
購入物件がどの分類にあたるかを不動産会社に確認しておくことが大切です。

住宅ローン減税の注意点

住宅ローン減税の注意点は以下の通りです。

住宅ローンの繰上げ返済に注意

住宅ローン減税の税額控除額は、年末の借入残高に対して控除率をかけて計算します。ゆえに、繰上げ返済を急ぎ、借入残高が減少するとそれだけ税額控除額も減少してしまいます。繰上げ返済によって削減できる支払い利息額と、減ってしまう税額控除額を比較して判断する必要があります。

省エネ性能が必須となる

先述の表のとおり、2022年からスタートする新しい住宅ローン減税は、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の購入者にとって有利な条件になっています。また、2024年以後に建築確認を受ける一定の新築住宅で、一定の省エネ基準に満たない物件は、住宅ローン減税の対象になりません。

住宅ローンの借入限度額が引き下げられる

控除対象となる住宅ローン減税残高の上限額(借入限度額)は、2024年から引き下げられます。購入および居住のタイミングも重要だと覚えておきましょう。

住宅ローン減税を受けるための手続き

住宅ローン減税を受けるための手続きは以下の通りです。

1年目:確定申告を行う
2年目以降:会社員の場合は年末調整で税額控除が完了する

確定申告時には、添付書類として、住宅ローンの年末残高証明書や新築工事の請負契約書の写し等が必要です。
2年目以降の年末調整時は、金融機関から送付される住宅ローンの年末残高証明書と税務署から届く(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書の提出が必要になります。

2023年以後に居住する場合は、住宅ローンを借りる金融機関に対して「住宅ローン控除申請書」を提出するルールになります。合わせて、1年目に確定申告書に添付する住宅ローンの年末残高証明書、新築工事の請負契約書の写し等が不要になります。同時に、2年目以降の年末調整時には、住宅ローンの年末残高証明書を添付する必要がなくなります。

住宅ローン減税期間中に繰上返済を実施した方が良いのか

住宅ローンは借金であるため「早く返してしまいたい」という気持ちの方は多いと思います。繰上げ返済には、利払いの負担が軽減できるというメリットがあります。しかし、繰上げ返済をする際には注意点があります。

どちらを優先させるかは金融機関等に相談

住宅ローンには、死亡・高度障害時にローン残高がなくなる団体信用生命保険が付いています。繰上げ返済をするということは、それだけ保障金額が減少することを意味します。削減できる利払い負担額と、減少する保障額を鑑みて判断する必要があります。悩んだときには、金融機関に相談してみましょう。

無理な繰上返済は避け、原資はあくまで余裕資金から

繰上げ返済のデメリットは、資金が枯渇してしまう可能性が高まってしまうことです。例えば、繰上げ返済を急ぎすぎ、手元資金がない状態で、子供の学費の支払いなどの多額の出費が訪れると、必要な資金が足りないという事態になってしまいます。必要な資金まで繰上げ返済に回してしまわず、あくまでも余裕資金の範囲内で行うようにしましょう。

借り換えメリット
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  • 住宅ローン減税の制度について詳しくは、国税庁ホームページ等でご確認ください。
  • 本稿の内容は2020年2月に作成し2022年6月に更新したものです。
執筆者
遠藤様

遠藤功二

えんどう こうじ

  • CFPR
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

当行では具体的な税額の計算、および、税務申告書類作成にかかる相談業務はおこなっておりません。個別の取り扱いについては、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご確認ください。

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[2024年1月22日現在]