住宅ローン控除に確定申告は必要?必要書類や流れを解説
更新日:2026年1月
住宅ローンを契約すると、実際に借り入れする住宅ローンそのものの金額が大きいのはもちろんですが、各種手数料や諸経費などで大きなお金が動きます。
「毎月数万~数十万円の返済が長期間続く」のが住宅ローンの特徴です。
住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した人が、長期間にわたって所得税の負担を軽減できる重要な制度です。
ただし、控除を受けるためには、適用要件を満たすことに加えて、入居した年の翌年に確定申告を行う必要があります。
普段は確定申告が不要な会社員や公務員でも手続きが必要になるため、事前に手続きの流れを理解しておくことが欠かせません。
この記事では、住宅ローン控除の仕組みや対象となる住宅の種類、確定申告の流れや必要な書類の準備方法まで、分かりやすく解説します。
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅ローンを利用して自宅の購入やリフォームをした場合に、各年の「年末時点の住宅ローン残高の0.7%」を所得税から差し引ける仕組みです。
新築住宅であれば最大13年間、中古住宅は10年間と、長期にわたって適用されます。
控除期間や借入限度額は、新築か中古か、住宅の性能や種類によって異なります。制度は数年ごとに見直しが行われるため、実際に入居する年のルールを確認しておくことが重要です。
2025年12月時点の住宅ローン控除の概要は、次の表のとおりです。
新築住宅等・買取再販住宅等の概要
| 居住年ごとの控除対象借入限度額 (控除期間) |
||||
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
| 認定住宅 長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
5,000万円(13年) |
4,500万円(13年) 子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円 |
||
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円(13年) |
3,500万円(13年) 子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円 |
||
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円(13年) |
3,000万円(13年) 子育て世帯・若者夫婦世帯は4,000万円 |
||
|
一般の住宅 (省エネ基準を満たさない住宅) |
3,000万円(13年) | 2024年以降に建築確認を受けた住宅等は対象外 | ||
| 控除率 | 年末借入残高×0.7% | |||
子育て世帯・若者夫婦世帯:40歳未満で配偶者を有する人、40歳以上で40歳未満の配偶者を有する人または19歳未満の扶養親族を有する人
(出典)国税庁ウェブサイトおよび令和7年度税制改正の大綱を基に2025年12月筆者作成
中古住宅等(新築住宅等・買取再販住宅等以外)の概要
|
居住年ごとの控除対象借入限度額 (控除期間) |
||||
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
|
認定住宅 長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
3,000万円 (10年) |
|||
| ZEH水準省エネ住宅 | ||||
| 省エネ基準適合住宅 | ||||
| 一般の住宅 |
2,000万円 (10年) |
|||
| 控除率 | 年末借入残高×0.7% | |||
(出典)国税庁ウェブサイトを基に2025年12月筆者作成
住宅ローン控除を受ける条件
住宅ローン控除の対象となるのは、どんなときなのでしょうか。
新築住宅の場合、中古住宅の場合、買取再販住宅の場合について、それぞれ解説します。
新築住宅の場合
新築住宅を購入または建築して住宅ローン控除を受けるためには、住宅の性能が一定以上であることが要件となります。対象となる住宅の基準は次のとおりです。
| 認定長期優良住宅 | 劣化対策・耐震性・省エネ性・維持管理性など、長く良好な状態で使用できる性能の高い住宅として、長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき認定された住宅 |
|---|---|
| 低炭素住宅 | 一定の省エネ基準の達成や再生可能エネルギー設備の設置など、都市の低炭素化の促進に関する法律に基づき認定された住宅 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 断熱などの省エネ設備と太陽光発電などの発電設備を併用することで、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロに近づけることを目指した住宅 |
| 省エネ基準適合住宅 | 上記以外で、断熱等性能等級・一次エネルギー消費量等級がともに4以上の住宅 |
(出典)国税庁ウェブサイト「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」を参考に筆者作成
加えて、新築や中古、買取再販住宅にかかわらず、共通して次の要件も満たす必要があります。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 居住時期 | 住宅の新築や取得の日から6ヵ月以内に居住し、控除を受ける年分の12月31日まで引き続き住んでいる |
| 住宅ローン | 返済期間が10年以上 |
| 所得 | 合計所得金額2,000万円以下 |
| 床面積 | 50m2以上かつ床面積の2分の1以上が居住用であること |
| その他 |
|
(出典)国税庁ウェブサイト「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」を参考に筆者作成
なお、2025年末までに建築確認を受けた認定住宅等の新築(未使用住宅も可)の場合は、合計所得金額が1,000万円以下であれば、床面積は40m2以上から対象となります。
中古住宅の場合
中古住宅を購入した場合は、「新築住宅の場合」で紹介した共通の適用要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。
- 1982年1月1日以降に建築された住宅
- 上記以外の場合、耐震基準適合証明書の取得や耐震改修などで耐震性が確認された住宅であること
参考)国税庁ウェブサイト「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
買取再販住宅の場合
買取再販住宅とは、宅地建物取引業者が住宅を買い取り、一定の期間内に一定の増改築を行って販売した住宅のことをいいます。宅建事業者から購入した場合のみが対象です。
「新築住宅の場合」で紹介した共通の適用要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。
- 住宅を取得する時点で、新築から10年以上経っている住宅
- リフォーム工事費が建物価格の20%(または300万円)以上
- 大規模な修繕や模様替え、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修など、特定の工事が行われている
- 宅建事業者が住宅を取得してからリフォーム工事を行い、再販売するまでの期間が2年以内
- 1982年以後に建築された住宅、または現行の耐震基準に適合している住宅
(参考)国税庁ウェブサイト「買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
住宅ローン控除のための確定申告
住宅ローン控除を受けるためには、前述した適用要件を全て満たすことに加えて、入居した年の翌年に確定申告を行う必要があります。
会社員や公務員など、普段は確定申告が不要な方も対象となるため、忘れずに手続きを行いましょう。
なお、2年目以降の申請方法は職業によって変わります。会社員などの給与所得者は年末調整で手続きできますが、個人事業主・フリーランスは毎年確定申告が必要です。
初年度は住宅ローンの控除に確定申告が必須
住宅ローン控除の初回は、全ての方が、管轄の税務署に確定申告を行う必要があります。申告期間は次のとおりです。
| 公務員・会社員などの給与所得者 (還付申告の方) |
入居した年の翌年1月1日から3月15日 |
|---|---|
| 個人事業主・フリーランスなど | 入居した年の翌年2月16日から3月15日 |
例えば入居日が1月の場合、確定申告は「その年の翌年」に行うため、結果として入居から1年以上経過してからの申告になります。忘れずに備えておくことが大切です。
なお、住宅ローン控除は「申告しないと適用されない」仕組みであり、初年度の申告を5年以上放置すると、その年分の控除は受けられなくなります。期限を過ぎないよう、忘れずに申告しましょう。
2年目以降も個人事業主は確定申告が必要
会社員などの給与所得者は、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除の手続きが可能です。勤務先に必要書類を提出すれば、確定申告をしなくても控除を受けられます。
一方、個人事業主やフリーランスは年末調整が受けられないため、2年目以降も毎年確定申告が必要です。
年末調整で住宅ローン控除を受ける手続き方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
住宅ローン控除に必要な確定申告の流れ
住宅ローン控除を適用するために確定申告をする場合、毎年10月~翌年1月頃に必要な書類を集め、原則として2月16日~3月15日の期間に確定申告書を提出します。
確定申告が終わると、1~2ヵ月程度で還付金が指定した銀行口座に振り込まれます。
住宅ローン控除における確定申告の必要書類
住宅ローン控除のための確定申告では、必要書類が多岐にわたります。情報を正確に記入することが求められる書類もありますので、申告期限ぎりぎりになって慌てないよう、時間に余裕を持って準備するようにしましょう。
| 必要書類 | 入手先 |
|---|---|
| 所得税の確定申告書 | 税務署・国税庁サイト |
| (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | |
| 本人確認書類(マイナンバーカードなど) | 居住する市区町村の役場 |
| 住宅ローンの年末残高証明書(住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書) | 住宅ローンを契約した金融機関 |
| 建物・土地の登記事項証明書 | 法務局 |
| 不動産売買契約書の写し(建物・土地の売買契約書、請負契約書) | 契約締結時に不動産会社や建築業者などから交付される |
| 控除対象住宅の区分に応じた証明書類(認定通知書や建設住宅性能評価書など) | 市区町村、都道府県、建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関など (不動産会社や建築業者などが集めてくれることが多い) |
| (給与所得者のみ)源泉徴収票 | 勤務先 |
(出典)国税庁ウェブサイト「令和6年分住宅借入金等特別控除を受けられる方へ(新築・購入用)」などを参考に筆者作成
なお、住宅ローンの年末残高証明書は取り寄せるのではなく、基本的には契約した金融機関から自動的に送られてきます。住宅ローンを借りた1年目は、契約日によって発送日が異なり、2年目以降は毎年10月頃に送られてくるのが一般的です。詳しいスケジュールは各金融機関のサイトで確認してください。
住宅ローン控除の確定申告におけるよくある質問
ここでは、よくある質問に関しての回答を紹介します。
住宅ローン控除の確定申告でいくら戻ってくる?
住宅ローン控除を適用することで税金から差し引かれる金額は、基本的には「年末時点の住宅ローン残高(上限あり)×0.7%」で求められます。例えば、年末時点の住宅ローン残高が3,000万円なら、「30,000,000円×0.7%=210,000円」となり、所得税から21万円が控除される計算です。
ただし、控除の対象となる借入限度額は、新築か中古か、省エネ性能の内容などによって異なります。例えば上記のケースでも、もし借入限度額の上限額が2,000万円の中古住宅であれば、「20,000,000円×0.7%=140,000円」となり、控除額は14万円にとどまります。
このように、借入限度額を超えた部分は控除の対象外になる点に注意しましょう。
収入合算・ペアローンは2人とも確定申告が必要?
夫婦の収入を合算する住宅ローンは主に以下の2通りです。
| 契約内容 | 例 | 確定申告の有無 |
|---|---|---|
| 収入合算 | ローン契約者は夫、妻が連帯保証人 | 夫のみが住宅ローン控除の対象となるため、夫だけ確定申告が必要 |
| ペアローン | 夫も妻も主債務者になる | どちらも住宅ローン控除の対象となるため、夫婦とも確定申告が必要 |
夫婦ともに主債務者になるペアローンを組んだ場合、住宅ローンを2本契約することになります。契約時の手数料なども2人分かかりますが、どちらも住宅ローン控除が受けられることは大きなメリットです。夫婦それぞれが自分の借入額および持ち分比率に応じて、住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除の確定申告は忘れずに行おう!
住宅ローン控除を確実に受けるためには、適用要件の確認と初年度の確定申告が欠かせません。確実に控除が受けられるよう、必要書類は早めにそろえ、申告期限に余裕を持って手続きを進めましょう。
2年目以降の手続き方法は、年末調整の対象かどうかによって異なります。多くの会社員や公務員は年末調整で対応できますが、年末調整を受けられない場合は確定申告が必要です。自分がどちらに該当するのか、事前に把握しておくことが大切です。
記事のおさらい
住宅ローン控除とは?
住宅ローンを利用してマイホームの購入やリフォームをした際に、所得税を軽減できる制度です。年末時点のローン残高の0.7%が、新築なら最大13年間、中古なら10年間税額控除されます。控除額や期間は、住宅の省エネ性能等によって異なります。
住宅ローン控除のための確定申告とは?
控除を受けるために必要な手続きです。会社員や公務員も、入居した翌年の初年度は必ず管轄の税務署へ申告する必要があります。2年目以降は、給与所得者は年末調整で対応可能ですが、個人事業主等は毎年確定申告が必要です。
住宅ローン控除のための確定申告の流れとは?
毎年10月から翌年1月頃に、金融機関から届く残高証明書などの必要書類を集めます。原則として2月16日から3月15日の間に確定申告書を提出し、手続き完了後、1~2ヵ月程度で指定口座に還付金が振り込まれます。
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- 本稿の内容は2025年12月15日時点の情報に基づきます。
はりかえ あい
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[2025年11月17日現在]









